Yuka

Shinkirō

Yuka


キズだらけになった腕を精一杯伸ばし
すべてを手にしようとしてた

ひからびた心の奥で
わずかに残る痛みを
押し潰すように目を閉じる
薄れた古すぎる記憶と共に

遠ざかるすべてが霞んで見える
不自然に歪んだ景色
叶うことない夢をまた目指して
鳥が行く先は揺れる蜃気楼

憎しみだけが棲む心に
わずかに触れたい優しさを
気付かぬ振りして突き放す
一人で歩けなくなりそうだから

誰かがくれた笑顔に背を向けてしまえ
いつか失うものならば
壊し続けた絆の欠片だけを
ひと握りだけ胸のポケットの中へ

心に広がる砂漠 今潤すのは
時折こぼれた涙
精一杯伸ばした傷だらけの腕
受け入れてくれるのは揺れる蜃気楼