Yuiko Ohara

旅立ちの風 (tabidachi no kaze)

Yuiko Ohara


風が強く吹き始めては
憤りかけた目を揺らす
少し伸びた髪がくすぐる頬

もう一度なんてない日々に
今やっと気付かされるもの
3度目の冬が溶けて土に帰る頃

無意識に心の内
流れてきた歌と一緒に
想いが溢れてしまいそうで
上を向いていたんだ

旅立ちそれは巡り巡る旅に
私の前に現れては
柔らかい波に背中を押されて
この眩しさに気付くよ
空を飛ぶ鳥は知りたいことなど
全て教えてはくれない
歩き出すその先で
見つけてみせるの

履き慣れた靴は脱ぎ捨てた
坂道を踏みしめたくて
ゆっくりと登るつもりでいたから

欲張って吸い込んだ息は
吐くことを忘れそうな程
残したい景色を目に焼き付けていた

砂ぼこり舞う香りが
胸の奥を詰まらせるような
同じ季節が来る度に
思い出してしまいそう

旅立ちそれは巡り巡る旅に
私の前に現れては
明日への新しい道を探しに
去って行ってくれるの
夢を紡ぎ合わせた先でいつか
答え見つけられるなら
泣いてなどいられないね
強く生きていくよ

いくつも声が重なり合って
立ち込める優しいメロディが
包んでくれるの

旅立ちそれは巡り巡る旅に
私の前に現れては
柔らかい波に背中を押されて
この眩しさに気付くよ
今も二度と来ないこの瞬間に

吹いた風はきっと私を
明日への新しい道を探しに
去って行ってくれるの
夢を紡ぎ合わせた先でいつか
答え見つけられるなら
泣いてなどいられないね
涙を拭ったら
前を見て歩くよ