こんなわたしも春には都会で 笑い転げて暮らしてた 狭い部屋でも小鳥を飼って 好きな男にもたれてた 北国雪の列車に乗って 流れる景色に泣いたのは 夏から秋の境目で すべてかかげる頃のこと ああ海洋に陽が落ちる そしてわたしは無口になって 波の音聞いて生きている かもめばかりが逃げ回う海を 日がな一日見つめてる お立ち寄り場所もまだ決めかねて 荷物もとかず部屋の隅 秋から冬へ日が移り 死にたくなればそれもよい ああ海峡に雪が舞う 浮き塔台が身をもみながら 港のはずれに霞むのは 冬から春へ駆け足で 女の胸も溶ける頃 ああ海峡に風が吹く