彼はまる 街角を 駆け抜けてく乾いた風 のびた影と いちょう並木 季節を見ていたかった 返事のない呼ぶ声は あっという間 かき消されてしまう 目抜き通り 人波抜けて どこか遠く 誰もいない場所へ 気付いていたのに 何も知らないふり 一人きりでは 何もできなかった 出会えた幻に さよならを 茜さすこの空に 零れた夜はさに 手のひらを 一輪の華 その合に 願い叶え 痛みを知る 渡り鳥の 鳴く声も 赤く染まる雲に 消えてしまう 帰り道も 遠く離れて 今は一人 誰もいない場所で 気付いた景色の 色に触れたとしても 一人きりでは 声も出せなかった 愛した幻に 口づけを 黄昏れたこの空に まだ夕べの星止まらない 街宵も朧げ 月はどこに 引き裂かれて 痛みを知る 繰り返す日々の中で 探してたのは 歩き続けるための願い 出会えた幻に さよならを 憧れはこの空に 長れた月日を 手のひらに 一片の花びら その合に 痛み重ね 出会いを知る 出会い重ね 願いを知る