Fuyumi Sakamoto

Hito Toki

Fuyumi Sakamoto


あれはとおいひのささやかなできごと
ちちのかえりまつえきのまちあいしつ
ふるいとけいだけほかにだれもいなくて
ひとりまつわたしなみだこらえていた
やがてききなれたあなたのあしおとに
むちゅうでかけだしたあなたのむねのなかに
もうもどれないほどおとなになったけれど
わすれないあなたといきたかけがえのないひととき

あしたたびにたつわかれのてがみを
つづりあふえたいまあのひにもどっていた
どうかげんきでとかいたいんくのうえに
ことばよりつたえたいにじむなみだのあと
やがてよがあけるきえゆくほしたちに
まごころたくしたよあなたにとどくように
もうもどれないほどおとなになったけれど
わすれないあなたといきたかけがえのないひととき

なにもないけれどあなたにいだかれていた
そんなにちじょうがとてもいとおしくて
もうもどれないほどおとなになったけれど
わすれないあなたといきたかけがえのないひととき
もうもどれないほどおとなになったけれど
わすれないあなたといきたかけがえのないひととき