Terra

Mugen no Hikari

Terra


秋の月、うたかた

吹けゆく空桔梗に染む
叫けき影を見ていた
幾重になる虫の音色が
寂しくてやむことを祈った

この場所が苦しいのは、なぜ
あの日あなたを失ったからでしょう

秋の月、うたかた
ほのかに零れる光
見つけてくれたのは
あなただった

やがて遠くの山の峰が
しらじら霞出すまで
幾度よう時を忘れて
ふたりがたり明かしたでしょうか

駆けては満ちる月向げに
想い重ねてゆく末を誓いあった

秋の月、うたかた
漂い小舟のように
心は遥かまで
さすらうでしょう
行き場もなく遥かまで
さすらうでしょう

満月よ、もし一つ
一つだけ願いが叶うと言うならば
会いたいもう一度だけ
刹那の灯火でいい
呼び覚まして

秋の月、うたかた
ほのかに零れる光
浮き沈む雲居に
あなたを想う

だりがれが去りゆく