Pe'zmoku

Misshitsu

Pe'zmoku


ノイズをはきだした旧式のステレオ
床に落ちたちゃちなスピーカ
好きなものばかりを食いつぶした僕は
次の欲望を求める

ドアに窓にたくさんの上前をかけたんだ
今はただ一人にさせてくれ
諦めろ帰れここには近づくな
その程度の優しさはいらない

漂うメロディは油切ったように
重く粘るマイナブルース
ヘヤジュウを手探り右手に触れたのは
誇りまみれの微笑み

気がつけば破り捨てたフォトグラフを
かき集めて繋ぎ合わせている
忘れるんだ駄目だ二度と思い出すなこの程度の温もりに焦るな

モノクロに塗り上げたはずの記憶に
少しずつ色が付き始める
足りないんだ君が優しさが温もりがこの部屋には一つもないんだ

灯りを消して強く目を閉ざしても
心臓の鼓動がうるさくて
足りないのは何だ? そんなものないはずだ それでも膨らむ寂しさ
愛憎なんて始めからないんだ 誰かここから出してくれ!