素肌に肩袖通しただけで 色とりどりに脱ぎ捨てられた 床に広がる絹の海 来てゆく服がまた決まらない 苛立たしさに唇噛んで 私ほんのり涙ぐむ あなたに逢う日のときめきは 憧れよりも苦しみめいて ああ、夢人よ 人よ限りに咲く花のよう 匂い立つ 恋するなんて無駄なことだと 例えば人に言っては見ても あなたの誘い拒めない 最後の仕上げに手鏡見れば 明かりの下で笑ったはずが 鏡を集める泣きぼくろ あなたに逢う日のときめきは 喜びよりも切なさばかり ああ、夢人よ 人よ限りと言い聞かせては 紅を引く あなたを愛した儚さで 私はひとつ大人になった ああ、夢人よ 人よ限りで覚めてく夢に 身を任す